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JRMN設立趣意書

  今日、科学・技術の発展は目覚ましく、生活の利便は大きく向上しました。その一方で科学・技術の負の側面も大きくなり、 地球環境問題など思わぬ影響も発生してきています。技術・社会システムが巨大化し、社会のいたるところでIT化が進み、 さらにグロ―バル化していく中で、身の回りのあらゆるものが不確実なリスクを抱える時代となってきています。

  近年多発している、「偽装」という言葉で代表される社会的不祥事や製造現場などで起きている信じられない事故を見ますと、 企業などが社会的存在であることの認識が薄れ、利益優先の行動に蝕まれていることを表しており、様々なリスクが顕在化してきています。

  このように不確実なリスクに満ちた現代社会に生きる私たちは、社会の要請にこたえて大阪大学が運営する「環境リスク管理のための人材養成」 プログラムにおいて、社会が直面する様々なリスク問題の実相、またそうした問題を抱える組織のリスクに対するマネジメントのありかたや、 リスクの現実化により被害をこうむる消費者や住民としての市民のリスクの受け止め方などについて第一線の研究者や実務の専門家から学びました。

  今日私たちに求められているのは、単純な問題は少なく、多くの関係者の間で利害が錯綜し、また一つだけでなく多くの事象が連鎖的に 関連する複雑な問題を俯瞰的に把握し、実践的対応として解決の道筋をつけることであると教えられました。

  所定の課程を終え、様々なリスクに立ち向かい、コントロールする「リスクマネジャ」として、日本リスク研究学会の認定を受けた私たちは、 「リスク」について学んだ知識・技術や考え方を現実の社会に有意義に還元して役立てるべく、それぞれの置かれた条件の相違を超え、力を合わせ、 お互いリスクへの感性を磨きつつ、リスクマネジャとして社会的実践を行うために「日本リスクマネジャネットワーク」を設立することとしました。

  私たちは、「リスクマネジャ」を目指して学ぶ「環境リスク管理のための人材養成」プログラム受講生ともども、私たちが教えを受けた方々を はじめ、多くのリスクをめぐる諸問題に関心を持つ人々、とりわけ日本リスク研究学会との連携を図りつつ、ネットワークの力を生かして、 社会の要請にこたえられる集団を目指して活動を始めるものです。

平成20年7月27日


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